黒い傘 2011.01.04版 (2011/01/04)
黒い傘 2011.01.04版
オーディオドラマ用のシナリオです。
無償です、ご自由にお使いくださいませ。
黒い傘 2011.01.04版
なお、最後の部分はまだ掲載していません。少し迷いがありますが、近日、アップする予定です。
一部抜粋
女 いつからだろう、黒い傘の、あの子を見かけるようになったのは。
冷たい雨の降る夕暮れ時だったろうか それとも雪の降りしきる吹雪の朝、
そうだ、真っ白な雪の世界、小さな黒い染みが見る間に広がっていくように、いつのまにか小さなあの女の子が私の中を大きく占める存在になっていったんだ。
名前も知らない、話をしたこともない、いや、そもそも、顔すら、黒い傘が邪魔をして、見たことがないんだ。
それでも、なんだか、そわそわと気掛かりでしょうがない。
声をかけてみようかと思う、 思ったことはあるのだ、でも、なんだか怖いんだ。
円満とは程遠いけれど、なんとか続いている夫との安定した生活。
近所の人達との、天気がいいだとか、悪いだとかのつまらないお喋りをする日常。
それが、大きな黒い傘に隠れた小さな女の子に話しかけた途端、一瞬にしてなくなってしまいそうな気がして怖いんだ。
どうして、そんなふうに思ってしまうのだろう、わからないくせに、いつも、こうしてためらってしまう。怯えてしまうんだ。
続き
オーディオドラマ用のシナリオです。
無償です、ご自由にお使いくださいませ。
黒い傘 2011.01.04版
なお、最後の部分はまだ掲載していません。少し迷いがありますが、近日、アップする予定です。
一部抜粋
女 いつからだろう、黒い傘の、あの子を見かけるようになったのは。
冷たい雨の降る夕暮れ時だったろうか それとも雪の降りしきる吹雪の朝、
そうだ、真っ白な雪の世界、小さな黒い染みが見る間に広がっていくように、いつのまにか小さなあの女の子が私の中を大きく占める存在になっていったんだ。
名前も知らない、話をしたこともない、いや、そもそも、顔すら、黒い傘が邪魔をして、見たことがないんだ。
それでも、なんだか、そわそわと気掛かりでしょうがない。
声をかけてみようかと思う、 思ったことはあるのだ、でも、なんだか怖いんだ。
円満とは程遠いけれど、なんとか続いている夫との安定した生活。
近所の人達との、天気がいいだとか、悪いだとかのつまらないお喋りをする日常。
それが、大きな黒い傘に隠れた小さな女の子に話しかけた途端、一瞬にしてなくなってしまいそうな気がして怖いんだ。
どうして、そんなふうに思ってしまうのだろう、わからないくせに、いつも、こうしてためらってしまう。怯えてしまうんだ。
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